■M&Aの現状

2005年上半期の現状では、M&Aは件数・金額ともに過去最高を更新しました。

尚近年のM&Aは、大企業だけでなく、中小企業においても頻繁に行なわれているのが現状です。マスコミで報道されるM&A情報はほとんど、大企業に関するものだけが取り上げられているという事になります。

中小企業の経営者様方にとっても、長年ともに成長してきた会社であり、従業員の雇用確保も考え、事業の将来性などを優先して考えた上で、会社を売却するという前向きな選択をされる経営者も増えていることが、この近年のM&A事情を作っている現状でもあります。

経営者の皆様にとっては、会社を守り続けるという事は、創業・発起より大変難しい事ですから…。

経営の後退期を迎えた経営者にとって、「事業継承問題」「従業員の問題」「税金対策」「自己株式を今後したら…?」といった問題は、常に頭を悩ませるものです。

子息などの親族を後継者にと考えても、「息子が跡を継がない」「経営者としての大丈夫なのか?」などの問題が発生することもあり、相続問題なども後に控えています。

こういった中小企業経営者様にとって、事業承継は大変難しく、やむを得ず会社を廃業する場合もよく見られます。

また、大企業が行う買い手主導で進められるケースが多いM&Aに比べ、中小企業のM&Aにおいては、売り手オーナーの意思や条件も成約については重要な要素になるケースが多々見られますし、

外資ファンド等が収益投資目的で、買収後に企業を解体して差益だけを取るといったものではなく、多くの場合は、買い手企業の事業拡大の為や、新しい事業を展開するために、事業を一から立ち上げるのではなく、既存の事業を買い取ることによって事業拡大を図るために行っているのも事実です。

■M&Aの形態

M&Aには概ね以下の4つパターンがあります。最も代表的なものが、株式譲渡と営業譲渡になります。中小企業のM&Aでは株式譲渡が圧倒的に多いのが実状です。

□株式譲渡

[ 1 ]
被買収会社の株式を評価し、通常は株式を100%買収。買収会社の方は会計処理を示すと、 投資有価証券○○○/現金預金○○○という会計処理がおこなわれ、投資有価証券は買収会社の貸借対照表に表示される。

[ 2 ]
買収会社は被買収会社の株式を100%所有することで、被買収会社を事実上所有。は所有と経営が分離していますので、被買収会社の代表取締役をそのままにして会社を経営させておくことも可能。

□営業譲渡

営業譲渡は被買収会社の特定の営業部門を設備や従業員の譲渡を受ける事で、これは株式譲渡とは異なります。

具体的には、営業譲渡契約書(包括契約書)に譲渡する資産や負債を列挙し、対価を支払うことで契約を成立させます。

これに基づいて、不動産の名義を変更したり、車輌の名義を変更したり、債務の引き受けをしたりしますが、従業員は会社同士の契約では引き継がれませんので、被買収会社で多くの場合、退職金を清算するか配置転換することになります。

□合併(新設合併・吸収合併)

ここでいう合併は商法上の合併を指します。中小企業のM&Aではほとんど使われることはありません。株式譲渡と結果的に同じ効果が得られるものです。

□資本提携

資本提携は完全な買収という形態ではなく、M&Aの前段階として通常の信用取引き関係を一歩進めた形と考えられます。 実際には、大企業が下請け企業との関係を強化するために使われることが多くあります

■M&Aのメリット

資金不足で運営が上手く行かない・知的財産を有するが営業力、資金力が乏しい・後継者がいない等の企業様に於いては、経営者様の意向を理解してくれる企業とのM&Aを行うことによって、企業の形態が変わっても会社自体が存続したり、看板が変わっても今までの歴史を継承できたりする事も可能であります。 その他、魅力のある企業・将来性のある事業には、売買金額も必然と上がります。

□売り手企業側のメリット

【1.収益の上がる事業への一本化】

経営戦略として自社事業の一部分を売却し、売却資金を収益の上がる事業や新事業に売却益の資金を投入することが出来メリットです。

【2.会社存続と更なる発展】

M&Aの多くの場合は、買収企業の傘下で事業を存続させる事になります。それによって、顧客や売上自体の収入、従業員様の雇用も維持することがメリットです。

その他、経営や資本体力の安定した企業の傘下に入ることによって、更なる発展の可能性があることもメリットです。

【3.売却フィー】

会社や店舗を廃業・清算する事に比べ、M&Aでは知的財産なども企業評価に入ることから、より高い価格で売却出来る可能性がある事がメリットです。

創業者であれば売却益によってハッピーリタイヤが実現できます。また、税率も売却益の26%と低率です。

□買い手企業側のメリット

発展を目指し拡大傾向にある企業様、自社の商品力や企画力でFC展開若しくは新店舗展開をお考えの企業様等におきましては、新規に店舗や事業を立ち上げるよりも、低資本・迅速・確実に事業の拡大が可能です。

その他、M&Aに於いては、人事選択や社員教育・固定客・顧客管理が完成されているケースもよくありますので、収益増加の即効性も現実的に考えられます。

【1.開業・新企画設立のスピード】

現在の変化し続ける経済環境下では、スピーディーな経営戦略や対策が重視されます。

企業や事業を買収する場合は、自社で新規企画から事業を立ち上げるよりも、短い時間で新規事業等へ進出出来る事がメリットです。

【2.低コスト・コスト削減】

新規事業への進出、既存事業の拡大を自社で全て賄うのは、事業企画の為の専門チームの人件費や莫大な運営資源が必要となりますが、既に必要な事業を稼動させている企業を買収することが、既に有する人材、技術、免許、商標権等の面の起業の際の低コストを実現することが出来る事がメリットです。また、自社と買収先とのシナジー効果も期待出来ます。

【3.起業リスク回避】

既にある事業で実績を持っている企業を買収するため、買収後の収益計画が立てやすく、現在の問題要素も見えやすく、将来に対する事業の企画が立案し易いのがメリットです。

尚、相対的に投資リスクは軽減されます。M&Aは、経営難の企業・後継者問題に悩む企業・財力や営業力に乏しい企業にチャンスを与え、発展を目指し拡大傾向にある企業の収益や規模の拡大を迅速に行える手法です。